SEXができる修学旅行の見どころ

【レビュー】『性修学旅行』―国家が管理するディストピア修学旅行の物語

もしも国が「少子化の原因は若者の恋愛離れにある」と考え、学校行事として“性に関する実習”を取り入れたら？
そんな極端な発想をベースに描かれたのが本作 『性修学旅行』 です。
一見すると過激なテーマですが、そこには「国家と個人」「自由と管理」というディストピア的な問いかけが含まれています。

物語の舞台は、少子化対策を真剣に考えすぎた国。
国は“若者に恋愛や交際の経験を積ませるべきだ”という方針を打ち出し、なんと修学旅行に「特別な実習科目」を導入します。

旅先のホテルは、従来の観光イベントではなく「性教育の実地研修会場」へ。
生徒たちは、それぞれの人間関係や想いを抱えながら、この“修学旅行”に臨むことになります。

クラス一の美少女、優しいヤンキー少女、控えめな女子、そして仲間たち――。
それぞれの立場や個性が、特別な一夜を通じて浮き彫りになっていきます。

「性修学旅行」というあり得ない制度を導入した国家の姿勢は、現代の少子化問題を極端にデフォルメした風刺的設定。
現実の社会問題を背景にしているため、物語はただのフィクション以上にインパクトがあります。

作品は単なる集団劇ではなく、それぞれのキャラクターの背景や関係性に焦点を当てています。
・クラス一の美少女は、大切な人との関係に揺れ…
・ヤンキー少女は意外な一面を見せ…
・普段は目立たない女子も、新しい自分を発見する…
といった「群像劇」として楽しめるのも大きな特徴です。

全77ページにわたるフルカラーコミックで、世界観の表現力は圧巻。
非日常的なシチュエーションを、ビジュアルで一気に没入させてくれる構成です。

『性修学旅行』は、一言でいえば「もし国が恋愛や交際を制度化したら？」という大胆な設定を描いたディストピア作品。
社会問題を下敷きにした風刺的な物語であり、登場人物たちの人間関係や感情の揺れを群像劇的に楽しめる一作です。

女子校生ジャンルの同人誌を中心に追いかけているライター。
「制服×学園」という舞台設定の中で描かれる、初恋の甘酸っぱさや背徳的なエロスに強く惹かれています。
実際に作品を読み込み、**「本当に抜けるのか？」**という視点でレビュー記事を執筆中。