ひなちゃんを、幸せにの見どころ

ひなちゃんを、幸せに【同人誌レビュー】

『ひなちゃんを、幸せに』は、全105ページ にわたって描かれるモノクロ同人作品。
配布形式は JPG版（線修正／モザイク修正各106枚）、PDF版（線修正／モザイク修正各106枚） と複数あり、自分に合ったスタイルで読み進めることができます。

ヒロイン「片瀬ひな」と、彼女に惹かれた少年「優太」を中心に展開するストーリーは、純愛的な要素を持ちながらも、どこか影を感じさせる独特の雰囲気を持っています。恋愛漫画的な甘酸っぱさと背徳感が共存する作風で、ただのエロ同人誌にとどまらない深みのある一冊です。

片瀬ひなは、寡黙で大人しい一方で「妙な噂」の絶えない少女。周囲との関わりを避けるように学校生活を送っていました。

そんな彼女に一目惚れしてしまったのが、体育委員として一緒になった優太。
思い切って告白するものの、あっさり断られてしまいます。しかし諦めきれない優太は、ついストーキングめいた行動を取ってしまうのです。

その過程で彼が目撃してしまったのは、ひなの“秘密”──。
彼女の裏の顔を知ったことで、物語は甘美でありながらも危うい関係性へと進んでいきます。

普段は大人しく誰とも関わらない少女。しかし、その内面には噂通りの“秘密”が潜んでいます。表と裏のギャップが強い魅力になっており、読者を強烈に惹きつけます。

一度告白を断られても諦めきれない優太。彼の行動は危うくもあり、青春の衝動としてリアル。そこから展開される二人の関係は緊張感に満ちています。

モノクロながらも描き込みが丁寧で、シーンごとの臨場感は十分。心理描写と絡みの描写がバランスよく配置され、ストーリー性の高い一冊に仕上がっています。

優太の純粋な気持ちと、ひなの持つ危うい秘密が交差することで、作品全体に独特の背徳感が漂います。ただのHシーンではなく、“人間ドラマ”として楽しめる点も見どころです。

『ひなちゃんを、幸せに』は、ヒロインの秘密を軸に展開するストーリー性の高い同人作品。
清楚で大人しい少女に隠された裏の顔と、彼女を好きになってしまった少年の暴走気味な純愛が交錯することで、読者に強い没入感を与えてくれます。

105ページの大ボリュームは読み応え抜群で、モノクロ表現が持つ独特の雰囲気も相まって、作品全体に濃厚な余韻を残します。
純愛と背徳の狭間を描いた物語を楽しみたい方におすすめできる一本です。

女子校生ジャンルの同人誌を中心に追いかけているライター。
「制服×学園」という舞台設定の中で描かれる、初恋の甘酸っぱさや背徳的なエロスに強く惹かれています。
実際に作品を読み込み、**「本当に抜けるのか？」**という視点でレビュー記事を執筆中。