天の星はただの光ー俺だけがセックスできない教室ーの見どころ

天の星はただの光ー俺だけがセックスできない教室ー【同人誌レビュー】

『天の星はただの光ー俺だけがセックスできない教室ー』は、同人作家・紅村かる氏による 全114ページ の長編作品。
舞台は文化祭前夜の高校、夜の教室。プラネタリウムドームという美しい演出の裏で、ヒロインをめぐる残酷で背徳的な物語が繰り広げられます。

ジャンルとしては NTR（寝取られ）・BSS（バッドエンド/ビターエンド系） に属し、純愛を夢見ていた主人公が残酷な現実を突きつけられるシチュエーションが特徴。
恋愛と裏切り、夢と絶望が交錯する濃厚な学園ドラマとして、他の学園エロ同人誌とは一線を画す完成度を誇ります。

文化祭の準備で賑わう放課後。
主人公は、自分が作ったプラネタリウムドームに思いを馳せていた。
「特別な君と、この場所で一緒に文化祭を楽しみたい」――そんな純粋な願いを抱えていた。

しかし、夜の教室で目撃してしまったのは、ドームの中で行われるクラスメイトたちの行為だった。
普段は聞くことのない女生徒たちの喘ぎ声、肉体がぶつかる音…。
そしてその現場に一緒に居合わせていたのは、よりによって主人公が想いを寄せる少女。

彼女と一緒に「ただ星を見たい」と願っていたはずが、耳に届くのは淫らな音ばかり。
やがて、その願いは非情な現実によって引き裂かれていく。

文化祭前夜の教室、星空を映すプラネタリウムというロマンチックなシチュエーション。
本来なら青春の甘酸っぱさを彩るはずの舞台が、逆に淫靡で残酷な現場となるギャップが強烈です。

ヒロインと並んで座りながら、クラスメイトのセックスを耳にするシーンは独特の背徳感があります。
「好きな子に告白したい」のに、「一緒に他人の行為を聞かされる」という残酷な構図が、BSSならではの緊張感を生みます。

主人公の戸惑い、嫉妬、憤り、諦念…。
ページを重ねるごとに胸が締め付けられるような心理描写は、読者を強烈に没入させます。

ただのNTRやエロ展開では終わらず、心に残る余韻を持たせるのが紅村かる氏の魅力。
114ページという長さをフルに活かしたストーリー構成は、読み終えた後もしばらく心に残るはずです。

『天の星はただの光ー俺だけがセックスできない教室ー』は、「文化祭前夜」という青春の象徴的な舞台で、純愛の夢が残酷に打ち砕かれる物語 を描いた一作です。

星空を見ながら特別な時間を過ごしたい――そんな願いが、目の前の現実によって踏みにじられる。
NTRやBSSといった背徳的ジャンルを好む方にとっては必見の内容であり、心理描写を重視する読者にも強くおすすめできます。

114ページというボリュームの中で繰り広げられる物語は、単なる抜き作品ではなく、読後に切なさと虚無感を残す“物語性のあるエロ同人誌”。
純愛と裏切りの交錯を味わいたい方にぜひ手に取っていただきたい作品です。

女子校生ジャンルの同人誌を中心に追いかけているライター。
「制服×学園」という舞台設定の中で描かれる、初恋の甘酸っぱさや背徳的なエロスに強く惹かれています。
実際に作品を読み込み、**「本当に抜けるのか？」**という視点でレビュー記事を執筆中。