とろけ堕ちの見どころ

とろけ堕ち｜純愛と背徳が交錯する受験生カップルの物語

『とろけ堕ち』は、同じ大学を目指す清純カップルの前に現れた「家庭教師」という存在が、二人の関係に影を落とす物語です。
フルカラー43ページという読み応えのあるボリュームで、青春の輝きと背徳の香りを同時に感じられる一作となっています。

松木と夏帆は、同じ未来を夢見る恋人同士。
しかし家庭の事情で、夏帆は父親の知り合いである大学生・久我に勉強を教わることに。

誠実に見える久我の指導で成績は上がっていくが、その裏には「純粋な好意」とは言い切れない感情が潜んでいました。
「もっと彼女に近づきたい」という欲望が、やがて夏帆の心にまで浸食していくのです。

恋人への想いを守りたい夏帆。
それでも、大人の余裕をまとった久我に触れられるたび、知らなかった感情が心の奥で芽生えてしまう――。

真面目で一途な夏帆の恋人。
ただし彼の純粋さは、大人の世界を知らない“脆さ”でもある。

努力家で真面目な少女。
しかし環境の中で揺さぶられ、無自覚に「禁断の扉」に近づいてしまう。

大学生の家庭教師。
優しさと誠実さに見える振る舞いの裏で、欲望と独占欲を隠している。
その存在が、二人の純愛を危ういものへと変えていく。

夏帆と松木の関係は、純粋であるがゆえに脆い。
そこに大人の余裕を持つ久我が入り込むことで、純愛は一気に崩れる可能性を帯びます。

この二つが交わることで、作品全体に背徳的な緊張感が走ります。

「とろけ堕ち」という言葉は、心地よい甘さと危険な堕落の両面を表現。
夏帆が感じる“初めての大人の世界”に、読者も共に足を踏み入れてしまうのです。

『とろけ堕ち』は、ただの恋愛ストーリーではありません。
青春の清らかさと、大人の甘美な誘惑。
その相反する二つがぶつかり合う背徳の物語です。

「もし自分が夏帆の立場なら――」
そう考えることで、さらに作品世界の奥深さを味わえるでしょう。

女子校生ジャンルの同人誌を中心に追いかけているライター。
「制服×学園」という舞台設定の中で描かれる、初恋の甘酸っぱさや背徳的なエロスに強く惹かれています。
実際に作品を読み込み、**「本当に抜けるのか？」**という視点でレビュー記事を執筆中。